当社の特徴と今後の事業展開
薬及びお菓子のういろうは、外郎(ういろう)家で創製され室町時代から分家も暖簾分けもせず、600年の歴史を重ねております。薬は日本で存続する最古の製薬で、一子相伝で製法を守って来ました。当社は、原材料を厳選し、製造から販売まで全て自社で行ってます。目の行き届く範囲以上には製造せず、想いを込めて作る事で、おもてなしの精神を形としています。小田原の繁栄と共にういろうのお菓子と薬を後世に伝えたいと思います。
人材に対する想い
当社は外郎家の歴史をベースに成り立っていますが、歴史や、伝統の薬、お菓子のういろうの本家本元だから会社が存続しているわけではありません。信用を第一にする精神の下、社員一人一人の個性と能力が結集され最大限に活かされて会社は更に歴史を重ねます。多くの日本人同様に我々も、生産者の誇りをかけて物造りをして来ました。これからも人々の健康と幸せを祈念して丹精に作り続ける人材を維持していきたいと思います。我々は旧商家の風習を踏襲し、社員だけでなくその家族も大切にするという精神があり、家族行事や子供の学校行事などがある時は、積極的に休める環境とし、私自らも実践しています。また神奈川県下で存続する最古の企業として地域貢献は欠かせませんが、現在勤務する社員も自ずから地元の人々との関わりを大切にしております。神奈川県外から採用した若い社員が町内祭事などに積極的に参加しており、大変頼もしく感じています。
育成への取り組み
定期的に社内勉強会を行い歴史や文化を社員と共有しています。またフロント(接客業務)とバック(製造部署)での情報共有、連携強化を行う定例会議を設け、互いの立場を理解の上で各自の業務が遂行できる様にしています。製造部署にはお客様からの感謝状、ご意見をフィードバックし、品質向上と共に社員のやりがいを高めております。また大手百貨店元職員によるマナー研修や、市内観光スポットでの社外勉強会を行い、観光地として接客能力の向上を図っています。更に外郎家の歴史や文化を社員が直接触れる機会として、歌舞伎「外郎売」の観劇や、当家二代目が創始した京都祇園祭の蟷螂(とうろう)山の山鉾巡業に参加をし実践しています。社員自らが日本の文化や歴史の一部を担っていると感じれば、創業一族と同じ視点で業務ができると考えています。得た知識、経験は併設の史料館でのガイドでも活用され、小田原の人気観光スポットの一つとなっております。